
最近、指が痛むんです。(人差し指の第一関節)

指が変形して、指輪が入りません。

ほかの病院に受診しましたが、関節リウマチではないと言われました。
こちらのお声、当クリニックに初めて来院される患者さんから、とてもよくお聞きします。

手の指が痛む、腫れている。変形してきている。
そんな症状があれば、最初に浮かんでくるのは、関節リウマチですよね。
ですが、関節リウマチ以外でも同じ症状が出ることがあります。
実は関節リウマチと一番勘違いしやすい、ヘバーデン結節とブシャール結節。
今回はヘバーデン結節・ブシャール結節についてお話しますよー!

へバーデン結節とは、変形性関節症の一つで、主に第一関節に症状が出てきます。
指先の第一関節の軟骨が摩耗することで、関節の痛み・腫れ・変形・屈曲などを起こしている状態です。
余談ですが、イギリスのウィリアム・へバーデン(William Heberden)医師が発見したことから、へバーデン結節と呼ばれるようになったと言われています。
ブシャール結節は、フランスの病理学者であるシャルル・ブシャール(Charles-Joseph Bouchard)氏が発見したことが由来となっています。
一般的に40歳以上の女性に多く見られることが特徴です。
ただ現在の医療でも、へバーデン結節は原因が分かっていません。
指の使いすぎ、遺伝、更年期障害によるホルモンバランスの乱れなどが関係しているのではないか、と言われています。

そして、へバーデン結節は、指の第二関節でも発症することがあります。
そちらの名前をブシャール結節と言います。
痛みが出る理由、原因などはヘバーデン結節と同じになります。

じゃあどうやって関節リウマチと見分けるの?
ここが今回のポイントです!
指の第二関節の痛みや腫れは、関節リウマチの初期症状でも同様に出現します。
そこで大切になることが、3つの検査になります。
1つ目が、レントゲン検査。
こちらの検査では、軟骨が磨り減って、関節の隙間が狭くなっていることが分かります。

2つ目が、超音波検査です。
関節同士がぶつかることで出来る骨棘(コツキョク)が確認できます。

また、関節リウマチでは炎症がありますが、ヘバーデン結節やブシャール結節では炎症がありません。
軟骨が磨り減ったり、骨棘が出来ることで、骨同士が当たることで、関節の痛みが出てきます。

そして、3つ目の検査が血液検査になります。
関節リウマチでは、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体が陽性になります。
ヘバーデン結節やブシャール結節では、陰性もしくは弱陽性になることがほとんどです。

いかがでしたか?
ヘバーデン結節・ブシャール結節は、関節リウマチと違う病態です。
ただ、関節リウマチの早期の場合と同じ症状が出ることがありますので、気になる方は早めに受診してみてくださいねー!