関節リウマチ治療のメトトレキサート/リウマトレックスってどんな薬なの?お薬について徹底解説!

リウマチナースのおしゃべりコラム

【関節リウマチの治療】を調べたことはありますか?その時に最初に出てくる薬剤といえば、

メトトレキサート もしくは リウマトレックス

ではないでしょうか?

そして、こうは思いませんか?

メトトレキサート(リウマトレックス)って、どういうお薬なの?

そんな疑問にお答えすべく!

関節リウマチの治療を始めている方も、今から始める方も。

知っているようで知らない、メトトレキサート/リウマトレックス。(以下MTX)

今回はMTXについて解説しますよー!

では、まずMTXとは、どんなお薬かと言いますと。

私たちの体の中にある葉酸の代謝の働きを妨げて、免疫を抑えて、炎症を下げる効果を持っているお薬です。

なんで葉酸の代謝を邪魔すると、免疫が下がるの?

葉酸を活性化させる酵素の働きを抑えることで、核酸合成を妨げ、免疫を司っている細胞(免疫グロブリン、リンパ球など)を増やすことを抑えます。

*核酸とは?

すべての生体内に見出される高分子物質。遺伝とタンパク質合成に重要な役割を果たす。 細胞の成長と修復に必要な物質(DNAとRNA)を持っているため、免疫細胞の機能に影響を与える。

関節リウマチは、関節内で炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こします。

炎症は免疫を司っている細胞が起こすので、MTXによって細胞の働きを抑え、炎症が治まってきます。

このMTXは、関節リウマチの治療において世界中で最もよく使用されている薬剤です。

治療はじめに使用されることから、第一選択薬としてもよく知られています。

*第一選択薬とは?

ある疾患に対して、最初に投与すべき薬剤のこと

また、MTXは関節リウマチ治療で重要な役割を果たす薬剤であるため、アンカードラッグとも呼ばれています。

他の抗リウマチ薬を組み合わせるときの基盤となることが多くあります。

*アンカードラッグとは?

アンカーは英語の「anchor(錨)」に由来し、治療の中心・信頼のおける薬剤のこと。

では実際に、どのように飲むのでしょうか?

お薬と言えば、毎日飲むイメージがある方もいらっしゃると思いますが、MTXは毎日飲む必要はないんです。

1週間のうち、1~2日のみ内服します。他の日は、MTXをお休みします。

一般法人 日本リウマチ学会より

MTXを飲む日は治療開始日だったり、患者さんの生活に合わせて飲んだり、主治医の指示によって違いますが、患者さんに合った飲み方になるかと思います。

MTXの投与量に関しては、患者さんの痛みの程度や副作用、血液やレントゲン・超音波検査などで評価しながら調節します。

ここで気になってくることは、やっぱり副作用のことですよね。

最初に出てきやすい副作用は、吐き気・頭痛・口内炎、になります。

そのほかの副作用は以下になります。

  • 感染症:肺炎、尿路感染症、敗血症、帯状疱疹などのリスクが高まる。
  • 間質性肺炎:肺胞に炎症が起きること。
  • 血球減少:MTXが免疫細胞の増殖を抑えすぎることで白血球や赤血球、血小板が減少すること。
  • 肝機能障害:MTXは肝臓を通して代謝されるため、肝臓に負担がかかりすぎている状態のこと。
  • リンパ腫:首や脇の下のリンパ節や肺や皮膚などの一部が腫れてしまう状態のこと。

MTXを飲む時に副作用が心配…。

こういった副作用を知ってしまうと、心配や不安になってしまうと思います。

しかし、MTXの副作用は、フォリアミンという葉酸製剤を一緒に飲んでいただくことで、ある程度予防することができます。

MTXは抗がん剤って聞きました。飲むのが怖いです…。

おっしゃる通り、MTXはもともと抗がん剤として使われていたお薬です。

急性白血病、悪性リンパ腫などが適応となります。

ただ、抗がん剤として使われるときは、1週間に30~100mg/kgで投与されます。

関節リウマチの治療として使われるときは、1週間に6~16mgで投与となりますので、内容量が大きく異なってきます。

もちろん、お薬を使用しているので、骨髄抑制といった大きな副作用が起こる可能性は0%ではありません。

そのため、定期的に血液検査を行い、表面上に現れにくい副作用をチェックしていきます。

*骨髄抑制とは?

抗がん剤などの影響で血液を作る骨髄の機能が低下し、血液を正常に作ることが出来ない状態。

いかがですか?

MTXに関して、知っていること知らないことあったかもしれません。

関節リウマチ治療を行う前には、ご自身が納得してから始めることが重要になってきます。

もしご不安なことがあれば、かかりつけ医にご相談してくださいねー!

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