リウマチの患者さんが利用できる行政支援は、主に以下の3つの分野に分けられます。
- 医療費の助成
- 障がい者向けの福祉サービス
- 年金・手当
1. 医療費の助成
リウマチの治療は長期間にわたることが多く、医療費が高額になりがちです。行政の医療費助成制度には、以下のようなものがあります。
- 高額療養費制度:ひと月にかかった医療費の自己負担額が上限額を超えた場合に、その超えた分が払い戻される制度です。所得に応じて自己負担の上限額が異なります。自己負担限度額(70歳未満の場合)年齢や所得に応じて定められた上限額を超えた場合、その超えた分が払い戻されます。詳しくは厚生労働省の下記のサイトをご覧ください。
- 難病医療費助成制度:厚生労働大臣が指定する「指定難病」に認定されると、医療費の助成が受けられます。関節リウマチは指定難病ではありませんが、一部の膠原病や血管炎症候群など、リウマチ関連疾患の中には指定難病に認定されているものがあります。
- 各自治体独自の医療費助成制度:お住まいの地域によっては、特定の疾患や年齢層を対象とした独自の医療費助成制度がある場合があります。
- セルフメディケーション税制等あり一定の条件をクリアすれば税制控除が受ける場合もあります。
2. 障がい者向けの福祉サービス
関節の機能に著しい障害がある場合、身体障害者手帳を取得できる可能性があります。手帳を取得すると、以下のような様々な福祉サービスや制度を利用できます。
- 医療費の助成:障がいの程度に応じて、医療費の自己負担額が軽減されることがあります。
- 税金の控除・軽減:所得税や住民税、自動車税などが控除・軽減されます。
- 交通機関の割引:電車やバス、タクシーなどの運賃が割引になる場合があります。
- 公共料金の割引:NHK受信料や携帯電話料金の割引などがあります。
3. 年金・手当
リウマチの症状により働くことが困難になった場合、公的な年金や手当を利用できる可能性があります。
- 障害年金:病気やケガが原因で生活や仕事に制限がある場合に支給される年金です。関節リウマチも対象となります。初診日から1年6か月経過した時点で、障がいの程度が定められた基準に該当すれば請求できます。
- 特別障害者手当:日常生活において常時特別の介護が必要な20歳以上の在宅の重度障がい者に支給されます。
どこに相談すればいい?
これらの支援制度について、詳しい情報や手続きの方法は、お住まいの市区町村の窓口で確認できます。
- お住まいの市区町村の福祉担当課:身体障害者手帳、特別障害者手当など障がい者向けの支援について相談できます。
- 年金事務所:障害年金について相談できます。
- 各自治体の保健所や保健センター:難病医療費助成制度や、地域によっては独自の支援について相談できる場合があります。
また医療機関のに相談するのも良い方法です。当院ではおりませんがMSW(医療ソーシャルワーカー)は、患者さんの社会的な問題(医療費、仕事、生活など)に関する相談に乗ってくれる専門家です。
これらの情報は一般的なものであり、個々の状況やお住まいの地域によって利用できる制度や条件が異なります。まずは、お近くの窓口に相談してみることをお勧めします。
高額療養費制度を利用される皆さまへ
高額療養費制度を利用される皆さまへについて紹介しています。
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