リウマチ(関節リウマチ)と診断された後、痛みや不安から「この先どうなってしまうんだろう」と悩んでしまう方も少なくありません。しかし、現在の治療薬や医療技術は進歩しており、病気とうまく付き合いながら、自分らしい生活を送っている患者さんはたくさんいらっしゃいます。
リウマチと上手に付き合っていくためのポイントは、大きく分けて以下の4つです。
1. 治療を続けることが最も重要
診断されたら、医師と二人三脚で治療に取り組むことが何より大切です。
- 薬を自己判断でやめない: 症状が落ち着いていても、勝手に薬をやめると再発や悪化につながることがあります。必ず医師と相談しながら治療を続けましょう。
- 定期的な受診を欠かさない: 病気の進行は発症後1~2年で急速に進むと考えられています。定期的に受診し、病状に合わせて治療方針を調整してもらうことが重要です。
2. 日常生活での工夫
関節への負担を減らし、痛みやこわばりを和らげるための工夫が生活の質を向上させます。
- 関節の保護と安静: 痛みや腫れが強いときは無理をせず、関節を休ませましょう。また、重い物を持つときは台車やカートを使ったり、手首にサポーターをつけたりするなど、関節を保護する工夫をすると良いでしょう。
- 適度な運動: 痛みが少ない時間帯に、関節に負担がかからない ストレッチ、軽いウォーキング、水中運動などを取り入れましょう。適度な運動は、筋力を維持し、関節の動く範囲を保つのに役立ちます。
- 体を冷やさない: 関節を冷やすと痛みが強くなることがあります。寒い季節はもちろん、夏場の冷房でも長袖やブランケットなどを活用して、関節を温めるように心がけましょう。ただし、熱を持っているときは炎症が強いため、温めずに冷やすのが良いとされています。
3. 食生活と体重管理
バランスの取れた食事は、病気と付き合う上で大切な土台となります。
- 栄養バランスの取れた食事: リウマチでは貧血や骨粗しょう症を合併しやすい傾向があります。貧血予防に鉄分、骨の健康のためにカルシウムやビタミンDを積極的に摂りましょう。こちらをご参考にしてください。
- 適正体重の維持: 体重が増えると、膝や足首などの関節に負担がかかり、痛みが強くなることがあります。関節への負担を減らすためにも、適正体重を保つことが大切です。
4. 心のケアと周囲のサポート
病気と向き合うことは、時に精神的な負担も伴います。一人で抱え込まず、周囲に頼ることも大切です。
- ストレスをためない: ストレスは病気の症状を悪化させることがあります。趣味や好きなことを楽しんだり、友人や家族に話をしたりするなど、自分なりのストレス発散方法を見つけましょう。
- 周囲に病気を理解してもらう: 家族や友人に病気のことを話して理解してもらうことで、気持ちが楽になり、協力を得ることもできます。また、同じ病気の仲間と話すことも、大きな支えになるでしょう。
- 公的制度を活用する: 症状が進み生活に支障が出てきた場合、身体障害者福祉制度や介護保険などの公的な支援制度を利用できる場合があります。
リウマチは治療法が進歩し、コントロールできる病気になっています。病気と上手く付き合いながら、できることを少しずつ増やしていくことで、自分らしい生活を送ることは十分可能です。