朝のこわばり、手指の関節の痛みなど、気になる症状を感じたら、何科に行けばよいでしょうか。
こわばり、手足の痛みはリウマチかなと思ったら
かかりつけ医のいる方は整形外科でも、内科でもリウマチの検査が可能であれば、まずは先生に相談してみてください。
リウマチ科を受診する
検査でリウマチが陽性と分かったら、専門施設の受診をおすすめします。
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医(以下、リウマチ専門医と記載)の資格を持っていること、超音波検査をルーチンで行っていることが早期診断のためには重要です。他の診療科が中心でリウマチもついでに診療しているところよりも、専門の施設が通院範囲内にあればベターといえるでしょう。
リウマチ専門医は
リウマチ専門医は、関節リウマチや膠原病のなどの自己免疫が原因の関節の炎症や全身症状の診断と治療を専門としています。自己免疫抑制剤や生物学的製剤などリウマチの炎症を抑える治療薬に精通し、複雑な自己免疫疾患の治療経験や最新の治療法についての知識が豊富です。
リウマチ科はどこにあるの?
リウマチ科を標榜している病院やクリニックは、日本医師会の地域医療情報システム(https://jmap.jp/:フリーワードでリウマチ科)で検索できます。神奈川県内には約350施設あるようです。
リウマチ科に行くべき症状とは?早期診断の重要性
- 手や足の関節が特に痛む、腫れる、こわばる(朝に強い)。長時間続く。
- 症状が慢性的に続く、または進行している。
- 血縁者にいて、関節リウマチや自己免疫疾患の可能性が考えられる
- 健康診断で受診を勧められた
リウマチ(関節リウマチ)を治療しないまま放置すると、以下のような深刻な影響が出る可能性があります。
1. 関節の破壊と変形
リウマチの炎症は関節を覆う滑膜を攻撃し、時間とともに軟骨や骨を破壊します。関節が変形を起こすと、日常生活での動作が困難になります(例: 手指の変形)。また放置すると、関節の動きが制限され、最終的には関節が動かなくなることもあります。
2. 慢性的な痛みと機能障害
炎症による痛みが慢性的になり、生活の質が大幅に低下します。歩行や物を持つといった基本的な動作が困難になる場合があります。
3. 全身への影響
リウマチは関節だけでなく、全身に影響を及ぼすことがあります。
- 肺:間質性肺炎を引き起こす可能性があります。
- 心臓:心膜炎や動脈硬化のリスクが増加します。
- 目:ドライアイや強膜炎などの眼疾患を引き起こすことがあります。
- 腎臓:リウマチ性疾患や薬剤の影響で腎臓機能が低下する可能性があります。
4. 精神的ストレスやうつ病のリスク
長期間痛みや不自由な生活を強いられることで、心理的なストレスが増大します。
社会生活や仕事への影響が大きくなると、うつ病などのメンタルヘルス問題が発生する可能性があります。
5. 寿命への影響
リウマチを適切に治療しない場合、全身の炎症が続くことで心血管疾患や感染症のリスクが高まり、寿命に影響を与える可能性があります。
治療を受けることになったら
早期治療を受けることで、関節破壊の進行を抑え、日常生活の質を保つことができます。特に、抗リウマチ薬はリウマチの炎症を抑え骨破壊を防ぎ、病気の進行を大幅に遅らせる効果があります。
MTXと生物学的製剤は、リウマチ治療の大きな2本柱になっています。
リウマチを治療せず放置することは、関節や全身に大きなリスクをもたらします。少しでも疑いがある場合や症状が続く場合は、早めにリウマチ専門医に相談し、適切な治療を受けることをおすすめします。