リウマチで異常なしといわれた。

リウマチ治療の工夫

リウマチ(関節リウマチ)の検査で「異常なし」(多くの場合、リウマトイド因子や抗CCP抗体といった血液検査が陰性)と診断されたにも関わらず、関節に痛みやこわばりなどの症状がある場合、主に以下の3つのパターンが考えられます。

1. 「血清反応陰性関節リウマチ」など、リウマチの初期段階

関節リウマチであっても、発症早期や軽症の場合、あるいは特定のタイプのリウマチでは、血液検査の異常(リウマトイド因子や抗CCP抗体の陽性)が出ないことがあります。

  • 血清反応陰性関節リウマチ:リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体が陰性(反応なし)なのに、関節の症状はリウマチと非常によく似ているタイプです。この場合、超音波(エコー)検査やMRI検査などで関節の炎症(滑膜炎)を詳しく調べ、総合的に診断することが重要になります。

2. リウマチと症状が似ている別の病気(リウマチ類縁疾患)

関節の痛みやこわばりは、関節リウマチ以外にも多くの病気で起こります。特にリウマチと間違いやすい主な病気には以下のようなものがあります。

疾患名主な特徴
変形性関節症加齢や使いすぎにより関節軟骨がすり減る病気。手指の第一関節(DIP関節)や膝、股関節に多く、動かし始めに痛むことが多い。
線維筋痛症全身の広範囲に慢性的な痛みが生じる病気。炎症や関節破壊は見られず、原因不明とされることが多い。倦怠感や不眠などを伴うこともあります。
更年期の関節痛女性ホルモンの変動により、関節痛やこわばりが起こることがある。更年期障害の他の症状を伴うことが多い。
他の膠原病全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎など、免疫の異常による別の病気が関節の症状を引き起こすことがあります。
リウマチ性多発筋痛症50歳以上の人に多く、肩や股関節の痛み、朝のこわばりが急激に発症する。
痛風・偽痛風尿酸などが関節にたまって急激な激しい炎症を起こす。
腱鞘炎・ばね指関節そのものではなく、腱や腱鞘の炎症による痛み。
ウイルス性関節炎ウイルス感染(風疹、パルボウイルスなど)の後に一時的に関節炎を起こす。数週間〜数か月で自然に治ることが多い。

3. 一時的・非特異的な症状

特に病的な異常ではなく、疲労やストレス、軽い炎症などが原因で一時的に関節の症状が出ている可能性もあります。


最後に

もし、痛みやこわばりが続いている、または悪化している場合は、リウマチ・膠原病の専門医に再度相談し、以下の点を詳しく見てもらうことをお勧めします。

  1. 症状の経過:いつから、どの関節が、どのような痛み・こわばりがあるかを詳しく伝える。
  2. 画像検査:超音波(エコー)検査やMRI検査など、血液検査では分からない関節内の炎症(滑膜炎)の有無を確認する。
  3. 他の膠原病の検査:リウマチ以外の膠原病の可能性がないかを調べる。

早期に適切な診断を受けることで、その症状に合った治療を開始することが可能になります。

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