リウマチは関節のみの病気ではありません。
だるさや微熱などの全身症状やメンタル面でのトラブルを起こすことが知られています。
関節リウマチとうつ病
実はリウマチ患者さんはよくうつ病を合併します。
リウマチ患者さんのなかで、うつ病もある方は14%~48%という報告があります。
Rheumatol Ther. 2020 Sep;7(3):457-471. doi: 10.1007/s40744-020-00217-4.
Rheumatoid Arthritis: The Impact of Mental Health on Disease: A Narrative Review
長いこと痛みやだるさがあればストレスもたまり、うつ病になるのもわかる気がします。
が、痛みがあるからうつ病になるだけではありません。リウマチの炎症が脳に影響し、直接うつ病を引き起こすという機序があることもわかってきています。
うつ病のリスクになること
うつ病のリスクになるものとして、強い痛み、疲労、薬(ステロイド、レミケードなど)の影響、ビタミンD不足、運動不足、社会参加の困難などが挙げられます。
うつ病はリウマチを悪化させる
うつ病になると痛みを強く感じやすくなることがあります。また、薬の数が増えることや仕事が難しくなることにより、経済的にリウマチの治療を続けにくくなる可能性があります。
リウマチ患者さんのメンタル不調改善のためにできること
- 少しでも痛みを取り除けるよう治療を見直すこと
薬の種類を変えたり生物学的製剤やJAK阻害薬などを導入したり、痛み止めの見直しなどできることがあります。関節注射も有効です。
- 運動をする
有酸素運動、ヨガ、ピラティス、太極拳などでリウマチ患者さんのうつ病を改善する効果が示されていますが、自分の気分が晴れるなら、どんな運動でも大丈夫です。
- 美味しいものを食べる
ビタミンD不足はうつ病のリスクです。ビタミンDは魚やきのこに多く含まれています。また、魚を多くとる方がうつ病になりにくいことが知られています。そして言わずもがな、美味しいもので人は機嫌が良くなります。
一緒に考えましょう
大事なことは、無理をしないこと、頑張りすぎないことです。少しでも精神的な不調を感じたら抱え込まずに家族や友人、また私たちに相談してください。対処法を一緒に考えましょう。うつ病が疑わしければ精神科、心療内科への受診をためらわないことも重要です。