リウマチ発症を予防する方法

リウマチ発症予防 リウマチ教室

リウマチ発症予防で大事なことは

身体に良いものを入れることにつきます

お母さんやご家族がリウマチだったり、血液検査で若干のリウマチ体質(リウマチ因子陽性)だった場合に、リウマチになることを何とか防ぐ方法がないかとよく尋ねられます。

もちろん完全に予防する方法はないのですが、食生活や最近の腸内細菌の研究である程度発症のリスクを下げる方法があることがわかってきています。

身体に良いものを入れるとは?

まずは食べ物について

ウルトラプロセスフード、肉の食べ過ぎ、特にプロセスされた肉(品質の低いソーセージハムなど:加工食品)はリウマチやその他膠原病の発症リスクを上げることが分かっています。

ウルトラプロセスフードとは・・・ 具体的には合成甘味料・合成添加剤・保存料が大量に入っている食品のことです。

肥満やメタボリックシンドロームになりやすい食べ物、簡単に食べられる加工食品で、ポテトチップスなどのお菓子、インスタント食品や炭酸飲料、清涼飲料水などなど。

幸い上記の添加物は表示が義務付けられています。

スーパーマーケットで食品を買う場合袋の裏を必ず確認してください。

伝統的な食品例えば納豆、本物の味噌、本物のお漬物などは原材料名がせいぜい2種類か3種類です。

原材料名が2行以上にまたがるようなものは買わないことが賢明です。

また甘いものについても、よく観光地のお土産物屋などで売っている賞味期限が1か月以上のお菓子などについては絶対に食べないようにした方がいいと思います。

アルコールについて

アルコールについては少量であれば、リウマチの発症リスクを上げないことがわかっています。

ただ、アルコールは各種のがんの発症や将来的な動脈硬化症の進展、高血圧、不眠など悪い作用が多いので、ごくたまに飲むという風にしたいですね。

ビールだけはなかなかやめられないという人が多いと思います。幸い、最近は味の良いノンアルコールビールが出ており本物のビールと全く遜色のないものがありますので、こちらをおすすめします。

しかし、合成甘味料を使った味の悪いノンアルコールビールなどはむしろ免疫に悪い影響を与えると予測しています。

個人的にはビールについては

ブルーの缶のアサヒゼロ(シルバーのドライゼロではなく)を強く推奨します。

レストランなどでどうしても置いてない場合には仕方なくアサヒのドライゼロを頼んでいますが

そのほかのノンアルコールビールはカロリーや糖質を無理やりにゼロにするためにわけのわからない物質を添加している場合があるのでおすすめできません。(アサヒ以外にも添加物フリーのノンアルコールビールはあります)

アサヒゼロ|アサヒビール
ビールのうまさにこだわる人のAlc.0.00% “濃厚なビール由来の、麦のうまみ” アサヒゼロ

水について

水については食品や空気と比べるとプライオリティが下がります。

水道水を飲んでも構いませんが、こだわりたい方にはミネラルウォーター特にカルシウムやその他ミネラル分の多い硬質のペリエなどを推奨しています。

炭酸が入っているため、消化や吸収が良くなります。

空気について

毎日できるだけ綺麗な空気を吸うことも大事です。リウマチの発症(専門的にはペプチドのシトルリン化=CCP抗体)は肺から始まるという推測も有力です。

例えば、住むところを決める場合にできるだけ幹線道路から離れたところ、住宅地でも車の通りが少ない場所を選ぶことは重要です。

道を歩いていても原付バイクなどは直接悪い排気ガスを浴びせてきますので、そういう時はできるだけ息を止める走って逃げるなどの努力も必要かもしれません。

一般的にお散歩は体に良いですが、健康へのメリットと排気ガスを吸ってしまう悪影響を天秤にかけると路上でのジョギングなどはおすすめあまりできません。

可能であれば、大きな公園や河川敷に行って運動してください。

やはり、同様に住むところはかなり重要になってきます。マンションを買ったり引っ越したりなどするチャンスがあれば公園などに隣接した場所を選ぶようにするべきです。

タバコの影響

タバコの煙は絶対に自分の体の中に入れないこと!

  • 家族に喫煙者がいれば絶対にやめてもらってください
  • 喫煙が許されている職場であれば経営者にお願いして改善してもらう。聞き入れられなければ職場を変えることをおすすめします

外食する場合には、空気のこもった店やタバコの匂いがする店禁煙でない店などは絶対に出入りしないようにしましょう。

(ここ数年のコロナ大騒動のおかげでほとんどのレストランが禁煙になったことは素晴らしいことでした)

温暖な気候、生活環境について

寒冷な気候はリウマチを発症させやすい、もしくは悪化させやすいことがわかっています。

リウマチを予防するためには住むところも大事です。

もちろんハワイや沖縄に住めれば理想的ですが、そうもいかないと思いますので・・・・。

  • 日当たりの良い物件を選ぶ
  • 車の通りの少ない場所を選ぶ
  • 暖かい住まい

一般的には一軒家よりもマンションの方が冬の間熱を奪われにくく暖かいですが、一軒家でも気密性や断熱性の優れた住宅であれば長い目で見ればリウマチの患者さんには有利になります。

もし家を建てる機会があればそこにお金をかけていきましょう。

腸内細菌を良い状態に保つ

腸内細菌に良いなどと謳った健康食品が売っていますが大した意味はありません。

それよりも日本の伝統的な発酵食品、新鮮な野菜、きのこ魚介類などにお金をかけるようにしましょう。

口の中も広い意味では腸と同じことです。

口の中にもたくさんの細菌が住んでいます。

口の中の細菌が免疫システムやその他体の炎症に大きな影響を与えることも分かっています。

口腔内を健康に保つ

通常の歯磨きに加えてフロスの使用を強くおすすめします。

糸だけのものは使いづらく長続きしません。

また、プラスチックの持ち手がついているものが良いのですが、歯並びが悪い場合すぐに切れてしまいます。

私が長年愛用しているブロスをご紹介します。

米国製で大変に丈夫です。滅多なことでは切れません。

免疫システムへのストレスを避ける

リウマチを発症する素因を持っている患者さんが、免疫システムへのストレスとなるような出来事がトリガーになって発症するというパターンが典型的です。

免疫システムへのストレスとなるイベントの典型例

1.大きな怪我 

2.大きな手術

大きな怪我や大きな手術大きな病気などは全身の免疫システムへのストレスになります。

乳がんの手術、子宮がんの手術の後に、しばらくしてリウマチを発症するというパターンも本院の患者さんに多く見られます。

定期的に乳がん検診、婦人科がん検診を受ける。また、まだ接種していない方は子宮がん予防ワクチンを受けることが推奨されます。

子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために - 公益社団法人 日本産科婦人科学会
日本産科婦人科学会 メディアセミナー「日本の子宮頸がん予防を変える―検診とワクチンの変革期に何をすべきか―」(2024年2月9日開催)動画配信のお知らせ 世界的な公衆衛生上の問題「子宮頸がんの排除」に向けたWHOスライド

3.感染症

コロナウイルス感染の後にリウマチを発症してきたなどはこの例に当てはまります。

コロナウイルス感染自体がリウマチの原因ではなく発症のきっかけを作ったと考えてください。

そういった意味では、毎年のインフルエンザウイルスワクチンその他肺炎や風邪を予防するワクチンを積極的に受けていくことも予防につながると推測されます。

ただし、まれにですがワクチン自体の副反応が免疫システムのストレスにもなりうることは否定できませんので個人個人の判断にお任せします

4.睡眠不足/過労

5.精神的ストレス

仕事上人間関係、家庭内のトラブルや近親者の不幸など、こういったことも免疫システムへのストレスに当然なってきます。

リウマチを発症した患者さんに聞いてみると後で思い当たることが多いとおっしゃいます。

定期的な時間に寝る起きる7時間以上の睡眠をとる、また精神的ストレス肉体的ストレスの少ない職場を選ぶなどできることはあると思います。

結論

今まで述べたようなことをいくら努力しても発症してしまう時は発症してしまいます。

しかし、以上のような予防処置は、リウマチの発症だけではなくその他様々な疾患(がんを含む)にも役立ちますのでやって損はありません。

8月より水曜日の診療を開始しています。

リウマチ症状でお悩みの方はご相談ください。

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