関節リウマチの日本での有病率は0.6~1.0%で、約80万人の患者さんがいます。
罹患率は女性では0.4/1,000人、男性では0.2/1,000人です。
地域や人種による違いはあまりありませんが、アメリカの先住民など一部の集団では有病率が10倍程度高いという報告があります。
関節リウマチの原因
リウマチの原因としては、遺伝と環境因子の両方が挙げられます。
一卵性双生児(遺伝子が全く同じ双子)が二人ともリウマチを発症する確率は15%程度であり、遺伝だけではないことがわかります。
遺伝の影響40%、環境の影響60%と、あるコホート研究では推定されています。
「コホート研究」とは、あるグループを追跡して、病気の発生などの健康状態の変化を調べる研究のこと。コホートとは、そもそもラテン語で「数百人の兵隊の単位」を示す言葉であり、「集団」を意味する。
引用:医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト https://ez2understand.ifi.u-tokyo.ac.jp/terms/terms_04/
リウマチ発症の原因 遺伝性
リウマチ患者の1親等以内にリウマチ患者がいる割合は9.8%だったという報告があります。また、リウマチのいる家族は、関節リウマチのいない家族に比べて、関節リウマチになる確率が約3.6倍高いといわれています。
一つの遺伝子からなる典型的な遺伝病とは違い、リウマチの原因遺伝子(=疾患関連遺伝子)は現時点で30個以上見つかっています。その中でもHLA-DR4(ヒト白血球抗原)遺伝子は遺伝要因のうち多くを占めるのではないかとされています。
女性は発症率が高い(4-5倍)ため、性別の遺伝子もリウマチ関連遺伝子だといえます。これらの遺伝子が複雑に組み合わさって、運が悪いとリウマチを発症するということになります。
リウマチ発症の原因 環境因子
関節リウマチは特定の1つの要因だけでなく、様々な要因が複雑に絡み合って病気を引き起こします。
最大の環境要因はタバコです。用量依存的に、つまり吸えば吸うだけ罹患リスクがあがります。
また、歯周病も関節リウマチの発症原因になります。
腸内細菌叢の変化、肥満、アスベストもリウマチ発症の原因となる環境因子の一つです。
何かひとつが原因というわけではなく、これらの要素が複雑に絡み合って関節リウマチを発症します。家族に関節リウマチの人がいる場合は特に注意し、原因となるような環境要因を避けるようにすると良いでしょう。
関節リウマチについては、こちらもご覧ください。
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