リウマチと女性ホルモンの関係
1. 女性のリスクが高い
関節リウマチの発症率
関節リウマチは女性に多く見られます。一般的に、女性は男性の約2〜3倍、関節リウマチを発症するリスクが高いとされています。関節リウマチの患者の約70%が女性です。これはホルモン、特にエストロゲンが関与している可能性を示唆しています。
我が国の関節リウマチ診療の標準化に関する臨床疫学研究 | 厚生労働科学研究成果データベース
厚生労働科学研究成果データベース MHLW GRANTS SYSTEM
mhlw-grants.niph.go.jp
2. エストロゲンの影響
エストロゲンの変動
エストロゲンのレベルが高いとき（例えば、妊娠中）は、関節リウマチの症状が改善することが多いと報告されています。
閉経との関係
閉経後、エストロゲンレベルが低下するため、関節リウマチの症状が悪化することがあります。
3. ホルモン療法の影響
ホルモン補充療法（HRT）の影響
一部の研究では、閉経後のエストロゲン補充療法が関節リウマチの症状を軽減する可能性があるとされていますが、他の研究ではリスクが増すこともあるため、一概には言えません。
研究結果
ある調査によると、ホルモン補充療法を受けている女性の中には、関節リウマチの症状が軽減する人もいれば、逆に悪化する人もいるという結果が出ています。
4. 妊娠と関節リウマチ
妊娠中の症状
妊娠中はエストロゲンのレベルが高くなるため、多くの女性が関節リウマチの症状が改善することがあります。 妊娠中の女性の約60%が、関節リウマチの症状が一時的に改善するという報告があります。しかし、出産後には症状が再発することが多いです。
まとめ
関節リウマチと女性ホルモン（主にエストロゲン）の関係は複雑ですが、エストロゲンの変動が関節リウマチの症状に影響を与えることが分かっています。女性は男性よりも関節リウマチを発症しやすく、エストロゲンのレベルが症状に影響を及ぼすことがあります。しかし、ホルモン療法の影響については、個々のケースで異なるため、医師と相談しながら最適な治療法を決定することが重要です。
