自分がどういうレベルのリウマチなのかを、知っておいてください。
担当の先生から「リウマチです」と言われてお薬を始められている患者さんはたくさんいると思います。実はリウマチと言っても千差万別です。
「非常に軽くて痛いだけで全く変形しないもの」から「ほっておくと半年単位で変形が進んで、最悪、将来車椅子になってしまうような重症のもの」まであります。
リウマチと診断を受けて、では自分が10年後、20年後にどうなっているのか——当然知っておきたいと思います。その辺をはっきりさせずに、ただ定期的にお薬をもらっている患者さんがかなりおられるようです。
Key Insight
血液検査で「自分の未来」がわかります
最近では血液検査(特に抗CCP抗体)で、5年後、10年後、20年後の自分のリウマチがどうなっているか、ほぼ予測がつきます。
そこがよく分かっていない方は、主治医とよく話し合ってはっきりさせておいた方が良いと思います。
02
Anti-CCP & True RA
抗CCP抗体と「本物のリウマチ」
お医者さんが使う用語では 抗CCP抗体陽性 = 予後不良 ということになっています。
「予後不良」という言葉はよく癌などで使われる言葉で、すごく悪い印象があります。つまり、どんどん悪くなって最後は命に関わってしまうという印象です。確かに20年ぐらい前まで、今のような良い薬がなかった時代にはその通りでした。
ところが現在ではリウマチの場合、早期からしっかり治療すると抗CCP抗体陽性でも「変形0」「痛みほぼ0」で普通の生活を送っていくことがほぼ可能です。予後不良という言葉は、私たちは全く当たらないと考えています。
抗CCP抗体陽性のリウマチは、MTXや生物学的製剤を早期から使えばほぼ100%効果があり、治療がむしろ簡単というのが本音です。それよりも、あまり血液に出ずに、ただひたすら痛いだけの中途半端なリウマチの方が治りづらいです。
A Specialist's View
そういうわけで、私たちの場合は「予後不良のリウマチ」というような言葉を使わずに、「抗CCP抗体陽性 = 本物のリウマチ」と呼ぶようにしています。
抗CCP抗体陽性のリウマチの方が治りやすいです。しかし、中途半端な治療で後で後でになると、短期間で変形が進んでしまい、悪い炎症サイクルが関節内で形成されてしまい、痛みが容易には取れなくなります。そういう意味で「予後不良」と呼ばれているのかもしれません。
What "Recovery" Means
「治りやすい」の意味について
ただし、治りやすいと言っても 「もう医者に行かなくていい」という意味での完治ではありません。お医者さんに定期的に通院してお薬はもらっているが、健康な人とほぼ全く同様に何でもできるという意味での「治る」です(専門用語で臨床的寛解)。
10年以上経っても変形ゼロで、スポーツや山歩き、フルマラソンなどを楽しまれている患者さんがたくさんいらっしゃいます。安心してください。
03
Talk With Your Doctor
主治医と話し合うべきポイント
リウマチを治療していく上で、必ず確認しておきたい4つのポイントです。
01
自分が 抗CCP抗体陽性のリウマチなのか陰性のリウマチなのか 必ず確認しましょう
02
血液検査の結果は必ずもらって保管しておくようにしましょう
03
10年後20年後に自分がどういう状態になっているのか、予想を主治医に確認してみましょう
04
治療期間・治療目標(専門用語で TREAT TO TARGET)をはっきりさせる
治療期間をはっきりさせる
リウマチのお薬を開始したとして、治療期間の予定・計画が何ヶ月単位なのか、何年単位なのか、はっきりさせておきましょう。
治療目標をはっきりさせる
どういうレベルまで良くなる計画なのかも、しっかり確認しておきましょう(専門用語で TREAT TO TARGET)。
04
Treatment Strategy
抗CCP抗体陽性 / 陰性別の治療戦略
Case A — Positive
抗CCP抗体陽性のリウマチ
短期間で変形が進みやすいため、治療は先手先手で進めるべきです。
Treatment Points
- 最初からMTXで治療を始める
- MTXで不十分であれば、ためらうことなく生物学的製剤を投入する
Case B — Negative
抗CCP抗体陰性、リウマチ因子も50以下のリウマチ
例外はときにありますが、一般論として多少治療が遅れても変形が進むことはほとんどありません。
Treatment Points
- 手遅れになるのではないかと必要以上に恐れる必要がないと思います
- お薬が減らせていって必要なくなる率も高いので、痛みが0の期間がある程度続いたらお薬の減量を考えるべき
自分のリウマチがどのタイプか、知ることが第一歩。そして、適切なタイミングで適切な治療を受けることが、10年後・20年後の生活の質を決めます。
リウマチは「ただ通院してお薬をもらう病気」ではありません。主治医と共に、自分自身が治療の主役となって考え、判断していく病気です。
本院では、患者さん一人ひとりに合わせて、抗CCP抗体の状態を踏まえた治療プランを丁寧にご説明しております。セカンドオピニオンや治療方針の相談も、どうぞお気軽にお越しください。
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