READ TIME約 7 分 / カテゴリ関節リウマチ — 関節エコー検査 (POCUS)
関節リウマチ / 関節エコー(POCUS)
No. 06— RA Column

関節エコー検査(POCUS)について。

Point-of-Care Ultrasound for Joints

関節エコー検査は、患者さんへの負担が少なく、今の関節の状態をその場でぱっと見ることができるという特徴があります。リウマチ専門医が「診断の補助」と「活動性評価」のためにフル活用している重要な検査です。

01
Two Key Roles

関節エコーの2つの役割

関節が痛いときに、関節エコー検査では以下の2つのポイントを調べることができます。
Role 01 — Diagnostic Aid

診断の補助

その関節で 何が起きているのかリウマチなのかどうかを判断する補助として活用します。

Role 02 — Activity Assessment

活動性評価

リウマチなら、その病気の勢いはどうか。今、炎症が活動しているのか落ち着いているのかを評価します。

02
Diagnostic Aid

関節リウマチ診断の補助

関節が痛くなる病気は沢山あります。まずは、関節に炎症が起きている "関節炎"なのかどうか で大きく分かれます。

触診で腫れているかどうかでおおよそはわかりますが、関節エコー検査ではより鋭敏に、2倍炎症を検出することができます。早期リウマチを見落とさないためには必要な検査です。

MRI検査との比較

MRI検査でも早期の関節炎を見つけることはできますが、費用や時間が多くかかる上に、一度に一部位しか検査できません。

Differential Diagnosis
他の病気との鑑別にも有用

リウマチと似た他の病気との鑑別においても、関節エコー検査は有用です。

  • リウマチ性多発筋痛症
  • 乾癬性関節炎
  • 変形性関節症
  • 脊椎関節炎 など
03
Activity Assessment

関節リウマチ活動性評価

リウマチなら、その病気の勢いはどうか——これは治療方針を決める上で重要な情報です。

30–40%
痛みがなく、CRPが0であり、臨床的に寛解と判断されているリウマチ患者さんに関節エコー検査を当ててみると、実は 30〜40%の方で滑膜炎が残っているという報告があります。
— Rheumatology (Oxford). 2014;53(11):2110-8

そのままでは 変形が進んでしまう可能性 があります。例えば、寛解したから減薬しましょうかと相談する際には、関節エコー検査で確認してからのほうがより確実 かもしれません。

04
Pain Strategy

痛みの治療方針判断

リウマチ患者さんでは、痛みが完全にはなくならない、という方はまだまだ多いです。

治療が不十分で炎症が残っているから痛いのか炎症はもう収まっているのに痛むのか、で大きく治療方針が異なります。(後者は 中枢性感作 という脳の働きの影響が示唆されています)

関節エコー検査を行い、炎症の有無によって治療方針を判断 していきます。

Case A — Inflamed

炎症が残っている場合

Action
リウマチ治療を強化 します
Case B — Calm

炎症が収まっている場合

Action
鎮痛薬での治療 を行います

関節注射への応用

滑膜炎の程度が強い時、ステロイドの関節注射が良く効きます。関節注射をする際は、関節エコー検査で 最も炎症の強い部位を同定 し、血管や神経などを確認することで、より安全に確実に行うことができます。

エコー下関節注射について →

05
Morning Stiffness

朝のこわばりと腱鞘肥厚

関節リウマチの諸症状に 朝のこわばり があります。

症状のある手指の屈筋腱をエコー検査で観察すると、屈筋腱の腱鞘肥厚が描出される 場合があります。腱鞘肥厚については、関節リウマチによるもの、その他の要因によるものとそれぞれ報告があります。

また、エストロゲン量低下による作用 の一因であることも知られています。

Research Insight
朝のこわばりと腱鞘滑膜炎

関節リウマチの患者さんの朝のこわばりについては、腱鞘滑膜炎の活動性が反映されているという研究報告もされています。

Consultation
こわばり症状でお困りの方は

いづれにしても、症状にお困りの場合はご相談ください。エコーで適切に評価することで、最適な治療プランを組み立てます。

References
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