関節リウマチの診断と治療に
役立つ関節エコー検査

関節エコー検査は、患者さんへの負担が少なく、今の関節の状態をその場でぱっと見ることが出来るという特徴があります。

関節が痛いときに、以下のポイントを調べることが出来ます。

  1. 「診断の補助」その関節で何が起きているのか?リウマチなのかどうか?
  2. 「活動性評価」リウマチなら、その病気の勢いはどうか?

関節リウマチ診断の補助

その関節で何が起きているのか?リウマチなのかどうか?

関節が痛くなる病気は沢山あります。

まずは、関節に炎症が起きている“関節炎”なのかどうかで大きく分かれます。触診で腫れているかどうかでおおよそはわかりますが、関節エコー検査ではより鋭敏に、2倍炎症を検出することが出来ます。早期リウマチを見落とさないためには必要な検査です。

MRI検査でも早期の関節炎を見つけることはできますが、費用や時間が多くかかる上に一度に一部位しか検査できません。

リウマチと似た他の病気(リウマチ性多発筋痛症、乾癬性関節炎、変形性関節症、脊椎関節炎など)との鑑別においても、関節エコー検査は有用です。

関節リウマチ活動性評価

リウマチなら、その病気の勢いはどうか?

痛みがなく、CRPが0であり、臨床的に寛解と判断されているリウマチ患者さんに関節エコー検査を当ててみると、実は30-40%の方で滑膜炎が残っているという報告があります。(Rheumatology(oxford).2014;53(11):2110-8)

そのままでは変形が進んでしまう可能性があります。例えば、寛解したから減薬しましょうかと相談する際には、関節エコー検査で確認してからのほうがより確実かもしれません。

またリウマチ患者さんでは、痛みが完全にはなくならない、という方はまだまだ多いです。

治療が不十分で炎症が残っているから痛いのか、炎症はもう収まっているのに痛むのか、で大きく治療方針が異なります。(後者は中枢性感作という脳の働きの影響が示唆されています)

関節エコー検査を行い、炎症があればリウマチ治療強化を、炎症がない状態なら鎮痛薬での治療をおこなうのが適切です。

リウマチ 疾患活動性陽性
参考文献

欧州リウマチ学会:

EULAR recommendations for the use of imaging of the joints in the clinical management of rheumatoid arthritis(Ann Rheum Dis. 2013 Jun;72(6):804-14.)

EULAR points to consider for the management of difficult-to-treat rheumatoid arthritis(Ann Rheum Dis. 2022 Jan; 81(1): 20-33.)

関節注射

滑膜炎の程度が強い時、ステロイドの関節注射が良く効きます。

関節注射をする際は、関節エコー検査で最も炎症の強い部位を同定し、血管や神経などを確認することで、より安全に確実に行うことが出来ます。

朝のこわばりと腱鞘肥厚

関節リウマチの諸症状に朝のこわばりがあります。

症状のある手指の屈筋腱をエコー検査で観察すると、屈筋腱の腱鞘肥厚が描出される場合があります。

腱鞘肥厚については、関節リウマチによるもの、その他の要因によるものとそれぞれ報告があります。

また、エストロゲン量低下による作用の一因であることも知られています。

いづれにしても、症状にお困りの場合はご相談ください。

参考文献

194 東日本整災会誌・32 巻:194-197,2020 年 手指屈筋伳滑走障害の臨床徴候と病態について
宮坂 芳典著https://www.jstage.jst.go.jp/article/jejot/32/2/32_194/_pdf

関節リウマチの患者さんの朝のこわばりについては、腱鞘滑膜炎の活動性が反映されているという研究報告もされています。

厚生労働行政推進調査事業費補助金 難治性疾患等政策研究事業 (免疫アレルギー疾患等政策研究事業 (免疫アレルギー疾患政策研究分野)) 分担研究報告書 関節エコーによる朝のこわばり評価の臨床的意義の検討 池田 啓 千葉大学医学部附属病院 アレルギー・膠原病内科 助教
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2016/162052/201611004A_upload/201611004A0010.pdf

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天本 藤緒
開院日
2023年7月1日
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