骨粗しょう症とは
骨は、骨を壊す動き(骨吸収)と骨を作る動き(骨新生)を繰り返して強さを保っています。
このバランスが崩れ、骨吸収が骨新生を超えるようになると、骨が弱くなり骨粗しょう症といわれる状態になります。
骨粗しょう症だと、軽いけがで骨折しやすくなります(脆弱性骨折といいます)。よく骨折する部位としては、背骨、股関節、手首、骨盤などで、予防するためには早期の治療が必要です。
関節リウマチと骨粗しょう症について
関節リウマチ患者さんは一般の方より2倍骨粗しょう症になりやすく、骨折リスクも1.5-2.4倍高いことが知られています。(日本骨粗鬆症学会 予防と治療ガイドライン2015年)
関節で作られる炎症性物質(サイトカイン)が、骨を壊す働きをする破骨細胞を活性化させることが主な原因です。
近年リウマチ治療は進歩しており、疾患活動性(病気の勢い)は低下していますが、骨折の頻度は低下していません。
関節リウマチ患者さんの骨折リスクを高める因子として、女性、高齢、ステロイドの1日内服量が多いこと、疾患活動性が高いこと、ビタミンD不足があります。
診断
骨粗しょう症の診断のためには、骨密度検査をします。
YAM70%未満の場合(脆弱性骨折の既往がある場合は80%未満)、骨粗しょう症と判断されます。(YAMとは、若い成人の平均を100とした時の骨量の割合のこと)
治療
関節リウマチ自体のコントロールを良くすることと、骨粗しょう症治療を並行して行っていく必要があります。
リウマチ患者さんの骨粗しょう症予防には、デノスマブ(プラリア®)が良いと言われています。プラリアは破骨細胞の形成を抑止することで骨吸収を抑え(骨を壊す作用を弱める)、骨密度を改善し、骨破壊を抑制します。
また、ビスホスホネート薬(リセドロン®、アクトネル®など)も骨密度の改善効果が報告されています。ビタミンD(アルファカルシドール®など)も骨折抑制効果が確認されています。
(日本骨粗鬆症学会 予防と治療ガイドライン2015年)
生活上の注意点
- 喫煙やお酒の飲みすぎは骨粗しょう症のリスクになります。
骨に重力がかかる運動をすることも重要です。
- 1日30分程度のウォーキングから始めるといいでしょう。
- カルシウムとビタミンDを十分とりましょう。
カルシウムの多く含まれる食材…牛乳などの乳製品、干しエビ、わかさぎ、ごま、小松菜など
ビタミンDの多く含まれる食材…きくらげ、あんきも、しらす、さけなど
また日光浴もビタミンDを作ります。