「関節リウマチや膠原病があると認知症になりやすい? 炎症と認知機能の関係」

アプリコラム

関節リウマチや膠原病をお持ちの方の中には、

「将来、認知症になりやすいのでは?」

と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。

結論からいうと、関節リウマチや膠原病があるからといって、必ず認知症になるわけではありません。

ただし、近年の研究や医学的エビデンスにおいて、関節リウマチによる炎症は「関節」だけでなく、「全身の血管」にも慢性的に生じることが分かっています。この慢性的な血管の炎症が動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高める原因となるのです。

脳の血管の健康状態は、認知機能に深く関わっています。そのため、関節リウマチや膠原病の治療で炎症をしっかり抑え込むことは、関節を守るだけでなく、全身の血管や脳の健康を守り、将来の認知機能をケアすることにも直結しています。

1.認知機能に影響する5つの要因

  • ① 血管の炎症と動脈硬化の促進:全身の血管に慢性的な炎症が続くことで動脈硬化が進行しやすくなります。脳梗塞などの脳血管障害は、認知機能の低下に直接影響します。
  • ② 慢性的な炎症そのものの影響:体内で長く続く炎症反応自体が、記憶力や集中力といった脳の機能に関係している可能性が指摘されています。
  • ③ ブレインフォグ:「頭がぼーっとする」「集中できない」「言葉がすぐに出てこない」といった状態を「ブレインフォグ」と呼ぶことがあります。認知症とは異なるもので、疲労・痛み・睡眠不足・ストレスなどが複合的に関与して起こります。
  • ④ 運動や人との交流の減少:関節の痛みがあると外出や運動を控えがちになり、「痛い → 動かない → 筋力低下 → さらに動かなくなる」という悪循環に陥りやすくなります。
  • ⑤ 生活習慣病の併発:高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・肥満などは、動脈硬化をさらに進行させ、脳卒中や認知症のリスクを高めます。

2.認知機能を守るためにできること

対策日常生活でできること
病気をしっかり治療する炎症をできるだけ良い状態(寛解状態など)にコントロールする
血管を守る血圧・血糖・コレステロールを管理し、禁煙する
体を動かす散歩やストレッチなど、無理のない運動を続ける
睡眠をとる十分な睡眠と休養を心がける
人と交流する家族や友人との会話、趣味などを楽しむ

特別なことだけでなく、病気を適切に治療しながら日々の健康管理を続けることが何より大切です。

3.こんな変化があったら主治医に相談を

次のような変化が続く場合は、一人で抱え込まず主治医に相談しましょう。

  • 同じことを何度も聞くようになった
  • 薬の飲み忘れや間違いが増えた
  • 約束や予定をよく忘れるようになった
  • 買い物や料理、計算などが以前より難しくなった

【注意】すぐに受診してほしい症状(脳卒中の疑い)

次のような症状が突然現れた場合は、脳卒中の可能性があります。

  • 片方の手足に力が入らない、またはしびれる
  • ろれつが回らない、言葉が出ない
  • 意識がもうろうとする、いつもと様子が違う

このような症状が出た場合は「単なる物忘れ」と思わず、直ちに救急車を呼ぶなど緊急で医療機関を受診してください。

まとめ

関節リウマチや膠原病があるからといって、必ず認知症になるわけではありません。

しかし、全身の血管に続く慢性炎症や動脈硬化、生活習慣病、運動不足などが重なると、認知機能に影響を与える可能性があります。

関節リウマチや膠原病を適切に治療して炎症を抑えることは、関節の痛みを和らげるだけでなく、血管や脳の健康を守ることにもつながります。「最近、物忘れが増えた気がする」「以前より集中しにくい」と感じたら年齢のせいと決めつけず、まずは主治医に相談してみましょう。

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