リウマチが引き起こす「血管の老化」と脳梗塞のリスク

リウマチ治療の工夫

「関節リウマチは関節だけの病気」と思っていませんか?

実は近年の研究で、関節リウマチは全身に炎症が続く病気であり、高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満などの「生活習慣病」と深く関係していることが分かってきました。

これらが重なると、将来的に心筋梗塞や脳梗塞などの「心血管疾患」を発症するリスクが、さらに高まってしまいます。

今回は、関節リウマチと生活習慣病がどのように影響し合っているのか、そして私たちが日常生活でできる対策について、分かりやすく解説します。

リウマチと生活習慣病が相互に影響する4つのポイント

1.関節リウマチの「炎症」が動脈硬化を進める

関節リウマチによる慢性的な炎症は、関節だけでなく血管にも負担をかけます。

関節リウマチの活動性が高い、つまり炎症が強い状態が続くと、たとえ生活習慣に大きな問題がなくても、動脈硬化が進みやすくなってしまいます。

つまり、関節リウマチの炎症をしっかり抑えることは、将来の心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げることにもつながるのです。

2.肥満は「関節への負担」だけではない

脂肪組織は、単にエネルギーを蓄えるためだけの場所ではありません。実は、炎症に関係するさまざまな物質である「アディポカイン」を分泌する、内分泌器官としての側面も持っています。

アディポカインには、動脈硬化や糖尿病を予防する方向に働くものがある一方で、慢性的な炎症を引き起こしたり、インスリンの働きを弱めたり、血栓をできやすくしたりするものもあります。

肥満があると、体内で軽い炎症が持続する状態となり、関節リウマチによる炎症や痛みを、さらに強めてしまう可能性があります。

また、このような全身の慢性炎症は、治療薬の効果が十分に得られにくくなる、つまり薬が効きにくくなる原因の一つにもなり得ます。

3.糖尿病がある方は「感染症」に注意が必要

糖尿病があると、もともと感染症にかかりやすくなったり、傷が治りにくくなったりします。

関節リウマチの治療薬として免疫の働きを抑える薬を使用している場合は、特に注意が必要です。そのため、「適切な血糖管理」と「感染症予防」を両立させることが非常に重要です。

また、治療に使用されるステロイド薬は、血糖値を上昇させることがあります。長期間使用する場合には、血糖値やHbA1cを定期的に確認していきます。

4.「脂肪肝」はお薬の選択にも影響する

肥満や糖尿病、脂質異常症に伴う「脂肪肝」がある場合、関節リウマチ治療のアンカードラッグ、つまり治療の中心となる薬であるメトトレキサートなどを使用する際に、肝機能をより慎重に確認する必要があります。

「脂肪肝があるから絶対に使用できない」というわけではありませんが、飲酒量や体重、肝機能検査の結果、肝臓の線維化の程度などを総合的に判断しながら、治療を進めます。

リウマチ患者さんに取り組んでいただきたい「7つの管理」

将来のリスクを減らし、快適な毎日を送るために、以下のポイントを定期的にチェックしていきましょう。

  • 定期的な数値チェック:血圧、血糖、HbA1c、LDLコレステロール、中性脂肪を主治医と一緒に確認する
  • リウマチの炎症コントロール:お薬を適切に服用し、炎症をしっかり抑える
  • 禁煙の徹底:タバコはリウマチを悪化させ、動脈硬化のリスクを跳ね上げます
  • 適切な飲酒:過度な飲酒を避ける
  • 状態に合わせた運動:関節の状態を見ながら、歩行(ウォーキング)、筋力訓練、水中運動などを行う
  • 適切な栄養摂取:極端な食事制限ではなく、適正体重と筋肉量を維持できる食事を心がける
  • ステロイドの適正化:主治医の管理のもと、必要最小限の量・期間を目指すまとめ

まとめ

関節リウマチによる炎症を適切に抑えながら、生活習慣病もしっかり管理していく。この両輪のアプローチこそが、大切な関節の機能を守り、将来の心筋梗塞や脳梗塞などの病気を防ぐための近道となります。

血圧や血糖値、コレステロールなどの検査数値や、日々の食事・運動について不安なことがあれば、主治医やスタッフにご相談ください。

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