関節が痛い…リウマチと似た症状を引き起こす病気とその特徴

リウマチコラム2 原田先生のリウマチコラム

関節が痛い…という時、リウマチ以外にもリウマチと似た病気がいくつもあります。

それぞれ治療法が異なるので、いつからどんなふうに痛くなったのか、関節の痛み以外に症状があるか、など細かくお話を聞き、血液検査や関節超音波検査、レントゲン検査などを組み合わせて診断をつけていきます。

頻度の高いものをいくつかご紹介します。

ウイルス感染に伴う関節炎

リンゴ病や風疹など、ウイルスによる感染症にかかると、咳や鼻水、皮膚の症状(赤いぷつぷつやレース状の赤みなど)と一緒に関節の痛みをおこすことがあります。

血液検査では、リウマトイド因子や抗核抗体が一時的に陽性になることもあります。

数週間~数か月で、自然と治ります。

シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病など

これらの膠原病でも関節の痛みがおこることがあります。

膠原病とは、自分の免疫が自分の身体を攻撃してしまう、自己免疫性の病気のことです。皮膚の症状や口内炎、脱毛、しびれなど、関節以外にどんな症状があるか、血液検査で抗核抗体は陽性か、胸部レントゲン検査などを調べて、診断していきます。

リウマチ性多発筋痛症

50歳以上の方で、両肩・股関節の痛みや二の腕、太ももの筋肉の痛みを急激に発症します。急に布団から起き上がれなくなった、腕が上がらなくなった、というストーリーが特徴的です。

血液検査、関節エコー検査などをおこない関節リウマチと鑑別していきます。

ステロイドがとてもよく効きます。

乾癬性関節炎

尋常性乾癬という皮膚の病気に伴って関節の痛みを生じることがあります。

尋常性乾癬とは、耳の後ろや肘、すねなどに白く粉っぽい紅斑ができる皮膚の病気で、10%くらいの患者さんに関節の痛みが合併します。

皮膚症状より先に関節症状が出ることもあり、そうなると関節リウマチと見分けることは困難です。

関節リウマチと同じく、メトトレキサートが効きます。

痛みが強い場合は生物学的製剤も使用されます。

転載:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 乾癬

変形性関節症

膝におこる変形性関節症が有名ですが、手の指の第一関節におこる変形性関節症をヘバーデン結節といい、中年以降の女性に多く見られます。

関節を使いすぎない、重いものを持たない、等生活の中で気を付けていくことが基本ですが、急性期にはステロイド注射も効果的です。

女性ホルモンの変動による関節痛

産後や更年期、女性ホルモンの急激な低下によって、関節の痛みが起こる場合があります。

産後は赤ちゃんのお世話で関節に負荷がかかることも原因で、概ね数か月で自然と改善します。

更年期の関節痛は長引くこともあり、女性ホルモン補充や漢方が効くこともあります。

関節リウマチを発症しやすい年齢でもあるので、一度検査をしてみるといいでしょう。

痛風

大酒を飲んだ日の深夜、足の親指の付け根が赤くはれて痛む…というのが典型的な痛風発作ですが、手首や足首、膝、肩にも起こることがあります。尿酸値が高いことが原因です。

飲酒以外にも、肥満、過度な筋肉トレーニング、薬、遺伝の影響でも尿酸値が上がります。 プリン体を多く含む食品(肉や魚の内臓や干物、エビ)やアルコールを控え、食べ過ぎないようにすることが重要です。

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